ご挨拶
大会長ご挨拶
JAMIT 2022大会開催にあたり
COVID-19の影響が全世界に広まり,学術分野においても様々な影響がもたらされています。学会活動もその最たる例であるとも言えます。JAMIT大会もその一つであり,学会員の皆様,参加者,そして,企業展示の皆様などとの間のコミュニケーションが制限される日々が続いております。
COVID-19の診断治療方法の確立も医工学分野における重要な課題でもあります。医用画像工学は,肺炎の診断や治療方針の決定などにも大きく寄与する学問分野でもあります。人体内部を画像としてとらえるイメージングとそれを処理するコンピューティングは,医用画像工学におけるコアな領域であるといえます。
そこで,JAMIT 2022では,「コンピューティングとイメージングが切り拓く新たな医用画像工学」として,イメージングとコンピューティングがどのようにして新たな医学的価値を生み出すかを皆様と議論できるような機会としたいと考えております。イメージングとコンピューティングの両面から,特別講演,ミニシンポジウムなどを構成するように鋭意準備しております。また,今後のJAMITを支える若手研究者によるセッションなども企画しております。
COVID-19の感染状況がどのようなるのか,まだまだ分からないところがありますが,2022年7月に名古屋大学豊田講堂にて皆様にお会いできることを楽しみにしています。
2022年2月
第41回日本医用画像工学会大会
大会長 森 健策
(名古屋大学大学院情報学研究科教授/名古屋大学情報基盤センター長/
国立情報学研究所医療ビッグデータ研究センター長)
学会長ご挨拶
第41回日本医用画像工学会大会(JAMIT 2022)を,会期7/29(金)~7/31(日)にわたって,名古屋大学豊田講堂(東山キャンパス)にて,森健策先生大会長のもとで開催させていただくことになりました.当初,第41回大会は絶対に現地開催できると思い計画を始めましたが,COVID-19がまだ猛威をふるう状況でありその様子を見て開催が難しい場合は延期します.私は,COVID-19の問題が未だに解決しない状況を長期間眺めていて,JAMITが関与できるのは医用画像分野だけですが,「科学技術はまだまだ未熟で未知の世界がありCOVID-19を直ちに打ちのめすレベルに今後益々発展させねばならない」と思うことがよくあります.特に,今後の人類を背負う若手研究者に期待する所です.さて,JAMIT大会は2016年開催の第35回大会以降,AIブームの上昇気流に乗り,参加者数300人以上・演題数100件・「ハンズオンセミナー」や「チュートリアル講演」などAI関係の企画物の高評価,他の大成功を収めてきました.私自身も,毎年大会に参加して医用画像分野の研究者・技術者のJAMIT大会への大きな期待を感じると同時に,学会長として魅力的な大会にしなければならない責任やプレッシャーも感じてきました.
そこで,継続した大成功に導くため,JAMIT2022の大会長は医用画像分野のトップ研究者の一人であり学会開催の豊富な経験を持つ森先生に期待して,大会長をお願いして快くお引き受けいただきました.そして,森先生の方で準備チームを組織してこれまで必死で準備を進め,本挨拶を執筆した3/14(月)の時点において,企画物とスケジュールがほぼ確定している状況です.その全体像を以下に紹介させていただきます.最初に,大会のテーマは「コンピューティングとイメージングが切り拓く新たな医用画像工学」に設定して,JAMITがイメージングとポストプロセッシングの両方をバランス良く取り扱う学会である特徴が強く現れているものにしました.特別講演は,理化学研究所の杉山将先生と高輝度光科学研究センターの上椙真之先生にお願いしました.杉山先生は誰もが知る機械学習の著名研究者であり「限られた情報からロバストに:信頼できる機械学習に向けて」というタイトルで壮大な杉山先生にしかできないようなご講演を聞けるに違いないと楽しみにしています.上椙先生は,放射光を用いたCTイメージングの著名研究者であり,タイトル「小惑星探査機「はやぶさ2」帰還粒子の放射光 CT 観察から導かれる,小惑星リュウグウの形成・ 進化史」で,宇宙から持ち帰った石をイメージングして宇宙の様相が分かるという夢があるご講演をいただきます.シンポジウムに関しては,4つのシンポジウムを企画しました.シンポジウム1~3は技術的な内容で,イメージング・ポストプロセッシング・関連するデータベースやネットワークに関するものをバランスよく揃えました.具体的には,「次の医用画像工学を切り拓くHPCと機械学習」,「医用画像データベースとネットワーク」,「イメージングが切り拓く未来の医用画像工学」の3つのシンポジウムです.そして,4つ目のシンポジウムとして,「JAMITの未来を作ろう」を企画しました.このシンポジウムで取り扱う内容は若手研究者を意識したもので,「研究の方法論や様式が目まぐるしく変化する現代において,若手研究者が元気に活躍して成功を納めJAMITの未来を作るにはどうすればよいか」という大変難しいながら重要な問題です.年配研究者から若手研究者に問いかけ,元気のよい若手研究者に思いや本音を述べてもらうようなスタイルのものを考えています.今までのJAMIT大会ではなかったシンポジウムであり,私は「年配と若手の対話により何か共通認識・やるべき新しい方向性・個々の若手研究者が成功を収めるキーのようなものが出てくればよい」と大変期待しています.他の企画物として,ハンズオンセミナーはJAMIT2021と同様に90分×5回をリフレッシュした内容「深層学習ハンズオンセミナー 〜リフレッシュ:画像認識から生成まで〜」で実施します.チュートリアル講演会は益々重要性が増している「個人情報保護」に関するものを準備しています.他には,JAMIT2021から様式を改めた田中栄一記念賞受賞者講演を含む会員集会,ランチョンセミナーなどを予定しています.
一般演題は100件の投稿を目標にして現在演題募集を行っており,会員の皆様方から多くの投稿をお待ちしています.一般演題に関する新しい試みとして,今回の大会から予稿集のフォーマットを二段組み2ページに変更する予定です.これまでは,MIT誌と同じフォーマットでFull Length Paper相当の10ページまで書けるスタイルで長く予稿集を発行してきましたが,「後に改善した内容を雑誌論文に投稿する際に2重投稿にならないように配慮」・「決められたスペースに要所をきちっと書くことを若手に学ばせるべき」などの議論をJAMIT理事会で行った結果です.
会場の名古屋大学豊田講堂は,名古屋大学のシンボルで著名建築士の槇文彦先生が設計されたもので,有名な歴史的建造物として知られています.JAMIT2021はハイブリッド開催しましたが会場にお越しいただいた参加者数はかなり少なく,「現地で開催できたことに意義があった」大会でした.JAMIT2022は豊田講堂にCOVID-19以前のJAMIT大会に近い多くの方が集まり「実質的な現地開催ができた」としたい所です.が,無理はできず国・自治体・大学の指示に従い参加者の安全を守らなければならず,その決定を森先生と慎重に行い皆様にお伝えします.
日本医用画像工学会(JAMIT)
会長 工藤 博幸