シンポジウム1 講演2

位相コントラストCTイメージングとヒト胚子の時系列解析

演者:
山田 重人(京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター)

[抄録]
ヒトの発生における時間軸として受精後日数,頭殿長(CRL),形態学的な特徴に基づいて区分された不連続な段階的指標である「カーネギー発生段階(Carnegie stages, CS)」の3つが存在する.この中でもカーネギー発生段階が広く用いられているが,CS1〜CS23で構成される段階的なものであり,時間的に等間隔ではないことから,時系列に沿った定量的な解析には不向きである.演者は貴重なヒト胚標本群である「京都コレクション」を所有することから,これをいかに高解像度で撮像し画像解析するかに長年取り組んできた.組織切片画像による形態学的観察所見に基づき,自家蛍光を用いたEFIC法,小サンプルのためのMRIであるMR顕微鏡や本講演で取り上げる位相コントラストCTイメージング(位相CT)など様々な手法で撮像を行なった.得られた画像データを用いて発生現象の定量的に理解したいと考えており,外表および内臓など複数の指標において胎児の成長を時系列に数値化することを目標としている.

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