シンポジウム1 講演4

あいちシンクロトロン光センターBL8S2ビームラインに構築したX線暗視野法に基づく屈折コントラストCT撮像システム

演者:
砂口 尚輝(名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻 准教授)

[抄録]
X線暗視野法(XDFI)に基づく屈折コントラストCTは,2次元病理画像に匹敵するコントラストで生体軟組織の精密な3次元構造を描出できるため,我々の研究グループでは,病理診断への応用を目指して様々なXDFI関連技術の開発を行ってきた.X線の屈折コントラストを得るためのラウエ型アナライザー結晶は重要な構成要素の1つであり,結晶の厚さが薄いほど空間分解能を向上できる.我々は,約5 cm角の視野を有す厚さ数10 μmの結晶を製作し,歪なく設置する技術を開発した.また,高空間分解能の撮影に必要なX線カメラや,高画質なCTを得る再構成アルゴリズムおよびデータ処理手法なども独自に開発してきた.こうした努力により,空間分解能は現在数μmまで向上し,生体軟組織から未知の組織形態学的情報や腫瘍の3次元構造を非破壊で取得できるようになった.昨年,新たなXDFI装置をあいちシンクロトロン光センター(AichiSR)BL8S2に構築し,愛知県内でも高画質なCTが得られるようになった.本発表では,AichiSRのXDFI撮像システムと近年の撮影像について紹介する.

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